2009年12月2日水曜日

ことば巡り②

前夜の11時のニュースの後から始まる【ラジオ深夜便】は午前5時に終わり、5分間程度のニュースが終わると、現役のアナウンサーが担当する【ラジオあさいちばん】が始まる。土日はそれぞれ【ラジオ】が【土曜】【日曜】に変わる。土日の担当は、佐塚元章・鈴木有才子の両アナである。

一昨日は今月5回目の日曜日だったので、亀井肇さんの「当世キーワード」の放送はなく、NHK放送文化研究所の田中浩史主任研究員が「美化語」について話した。美化語(びかご)とは、「お話」や「ご本」のように言葉の頭に「お」や「ご」つけた言葉をいう。
田中研究員が佐塚アナに、今年の初めに実施した調査と同じ言葉を示して、美化語を使うかどうかを尋ねる。

1.ビール →「これは、ビールですよ」
2.酢   →「お酢ですね」
3.正月  →「お正月ですね」
4.みかん →「これは、みかん」
5.台所  →「そのままですね」
6.鍋   →「男性の友達と鍋料理を食べるときは、『なべ、いこう』なんて言うが、娘には『今夜は、おと うさん、お鍋がいいな』などという」
7.カネ  →「どちらかといえば、お金がおおいですね。」
8.ソース →「これは、ソース」
9.酒   →「お酒ですね」
10.天気 →「これも使い分けていますね。相手や場所によって使い分け ているんですね」

田中さんによると、今年の調査では、「お正月」「お金」「お酒」は、7~8割の人がおかしくないと言っている。逆に、余り使わない、放送にはふさわしくないと言っているのは、「おビール」「おソース」「おみかん」「お台所」で、前の三つの言葉を支持したのは、それぞれ3%、5%、7%。
判断の分かれたもの、「迷った」というのは、酢、天気、鍋で、いずれも付ける、付けないが半々くらい、年代、性別、どんなグループの中で話しているか、などで異なるという結果であった。
もともと、「お」のつくのは一般に「お宮」「お寺」「お城」のように尊敬の対象になっていたものにつけた。
室町時代になって、女房言葉で、「でんがく」を「おでん」と、ていねいに、上品にいうようになったと言われている。
近代になると、幼稚園言葉というか、幼児向けの言葉で、
 おはな、お絵かき、お机
料理で
 お大根、お紅茶
といったものが加わって、今の言葉になったといわれている。やはり今でも、女性の方が美化語を多く使うことがハッキリ出ている、という。

13年前の1996年にも同様の調査をしているが、それに比べると、男性の美化語の使い方がこの間に急激に増えてきているそうだ。(たとえば、「お正月」は、51%→今回80%)
これからも、時代とか環境とか人間関係で、増えたり減ったりするかもしれない。日本語の中でも、揺れ続けているものの一つといえるかもしれない。

佐塚アナ「たいへん興味深い『お』話、ありがとうございました」w。

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