2009年11月22日日曜日

当世キーワード(2009年11月④)

今朝のNHKラジオ第1、亀井肇さんの当世キーワードより。

着地型旅行
これまでの観光旅行は首都圏や大都市などにある旅行会社が企画して参加者を集め、その参加者を地方の観光地に送り込む、というハッチ型旅行が主流であった。
それに対して、地元の旅行会社や団体や企業などが企画して主催する現地発着の旅行を着地型旅行という。最大の特徴は、地域の特色を生かした体験とか交流を重視していることにある。
2007年5月に旅行業法の施行規則が改正されて、中小の地元の旅行会社でもその地方のパッケージツアーなら企画できるようになったことから盛んに企画されているようだ。

◆エコ果物
葉の部分を再利用したパイナップルとか、二酸化炭素の排出枠をつけたバナナなど、環境に配慮した果物をいう。
果物の大手輸入商社は、昨年秋、一房あたり1キロの排出枠をつけたバナナを発売している。このバナナを買えば、輸出の時に排出される二酸化酸素などを考慮しても、一房500グラム程度の二酸化酸素削減につながる。
青果物販売大手の会社は、食べられない葉の部分を産地のフィリッピンであらかじめ取り除いたパイナップルを今年の4月から販売している。取り除いた葉の部分は農地に植えると再び実がなるために、年間3トン程度の葉のゴミ削減に連なるわけだ。
環境問題に関心のある消費者の需要を掘り起こしているらしい。


◆ボトム・オブ・ピラミッド(BOP)
アメリカ、ミシガン大学ビジネス・スクールのプラハラード教授が提唱したもので、経済ピラミッドの底辺ということを意味している。人口が多く、購買力の向上が見込まれる途上国の低所得者層を指している。
世界の有力企業はこの層を取り込むことに懸命になっているが、先進国向けの高価格帯商品の需要が先細りしていて、途上国の低所得者層をターゲットに切り換えているわけだ。
世界銀行の関連団体によると、BOPは、年間所得3000万ドル未満で暮らしている40億人の低所得者層が該当し、潜在的な市場規模は5兆ドルにのぼるという試算もある。
こうしたBPOに低・中価格帯の商品を売り込むと同時に、所得向上につながる仕事を提供して、貧困削減と新しい市場獲得の両立を目指しているようだ。


◆ラーメン ロボット
ラーメンを完全に調理するロボット。産業ロボットを製造している会社が作っている。
お客の注文を受けると、人間用の調理器具を使って、スープの調合、麺ゆでなどを素早くこなし、1分35秒で完成させる。できあがると、「一丁あがり」と電子音で威勢よく知らせる。
店長と副店長の、2台のアーム型ロボットが、お客さんをお待ちしてるそうな。醤油ラーメン、塩ラーメンと注文してもOKだそうで~す。


◆書道パフォーマンス
書道に音楽とダンスの要素を取り入れたパフォーマンス。白い着物に袴をはいた女子高生たちが一斉に筆をとって紙に向かい、キビキビとした動きで展開しているという。
今から11年前にテレビで放映された全国高校生文化祭グランプリで、福岡県立築上(チクジョウ)中部高校=現在は、県立青豊(セイホウ)高校=の書道部がDA PUMPの“Feelin' Good”の歌詞を横十数メートルの紙に歌いながら書き上げたのが最初とされている。
これが各地の女子高生たちに広がって、全国大会も昨年から「書道パフォーマンス甲子園」に発展している。

2009年11月15日日曜日

当世キーワード(2009年11月③)

NHKラジオ第1、亀井肇さんの当世キーワードより。ところで今日、11月15日は「かまぼこの日」です。なぜ? こちらをどうぞ。
いや、これは当世キーワードとは、何の関係もありません。

◆オリエンタル ウェスタン
イタリア製ウェスタンのことをマカロニ・ウェスタンと読んでいたが、韓国製のものをいう。

◆貼るワクチン
大手製薬会社などが開発を進めている、皮膚に貼り付ける新しいタイプのワクチンで、約1センチ角のシール状のワクチン。微細な突起が約1000本出ていて、腕などに押しつけるように貼る。
短い突起は皮膚の中までしか入らず、神経には達しないために痛みはほとんどなく、事故の心配もない。
皮膚には、ワクチン成分を認識し、ウィルスをやっつける抗体の作成に導く特殊な免疫細胞が皮下組織などより多く存在するので、効果が出やすいといわれている。実用化され、承認されるのは数年後といわれている。

◆どうぶつ しょうぎ
将棋のルールを簡素化し、駒を動物のキャラクターに置き換えたこども向けの将棋。詳しくはこちらでどうぞ。

◆エレベスト
世界一の山、エレベストではなく、「エレベーターをこよなく愛する人」という意味だ。編集プロダクション代表、梅田カズヒコさんによる命名。
ある出版社の編集者が「団地萌え」が流行した時期に、これと対抗するものとしてエレベーターを考え、それを本にすることを梅田さんに提案したという。「団地萌え? なんじゃ、そりゃ?」という人、こちらをどうぞ。 
「エベレスト」も、こちらをどうぞ。

◆スチームポット
陶器製の鍋と底に敷く簀の子とがセットになっているポット。
鍋の底に貼った水を加熱して、上がってくる蒸気で簀の子にのせた食材を蒸し上げるという仕組みになっている。
油を使わずに火を通すことができて、余分な油は簀の子の間から落ちるため、ローカロリーな食事を楽しむことができる。簀の子を使わなければ、土鍋としても使用することができる。
こちらが分かりやすいかな。








2009年11月8日日曜日

当世キーワード(2009年11月②)

今朝のNHKラジオ第1、亀井肇さんの当世キーワードより

◆タートルトーク
東京ディズニーランドで、今年の10月からはじまった新しいアトラクションの名前。ディズニーの人気映画のファインディングにも登場しているウミガメのクラッシュウが主人公で、客はコンピュータグラフィックスで再現された海の中で、クラッシュウと双方向で会話を楽しめる。
専用のマイクを通じて、クラッシュウが投げかけてくる質問に客が答えたり、逆に、クラッシュウが話しかけたりして楽しむ。
クラッシュウ役の声優が客からは見えないが、全体を見渡せる位置にいて、質問した客の服装とか、ジェスチャーなどについて質問したりして、客と同じ場所にいることを前面に押しだしている。

◆ラーメン フォーク
円形のスプーンの先にフォークのついたもの(実物の形は、後掲のアドレスなどでごらんあれ!)。学校給食で使用されている先割れスプーンにヒントを得て、名古屋のあるラーメン店、スガキヤが1978年に開発した。創業60周年の今年を記念して、デザイナーの高橋正実さんが刷新した。
麺とスープがよくからみ、箸よりもおいしく食べられると大人にも子どもにも好評。そのシンプルで使いやすいデザインが高い評価を得て、モダンアートの殿堂、アメリカ・ニューヨ-ク近代美術館、MoMAのミュージアムショップの大人気商品となっている。

◆音鉄(オトテツ)
鉄道オタクのなかで、電車の出す音や駅周辺の音に強い関心を寄せる人を指して、音鉄と呼ぶ。
もともとは電車のエンジンの音に関心を持って、それぞれのエンジン音や車輪の出す音について、その音を聞き分けて、それがどのような電車であるかを当てて自慢しあっていた。
それが次第に範囲を拡げて、車内に流される音楽とか、車掌のアナウンス、駅のアナウンスや発車メロディにまで興味が広がってきている。
最近では駅ごとに発車メロディが異なっていて、その発車メロディを模した目覚まし時計なども発売されている。
また発車メロディとクラシックを組み合わせた「山手線上のアリア」といったクラシックCD の電クラ(=電車クラシック)といったものも発売されてきている。

◆美人時計
インターネットのサイトで、時刻を書いたボードを持った美女の写真が1分ごとに切り替わるものが、美人時計である。
1人の「持ち時間」は4分間で、1分ごとにポーズが全身から顔のアップまで少しずつ変わるために、見ていると徐々に美人が迫ってくるような感じがする。
サイトでは、24時間で360人の美女が登場する。運営会社では、普通の女性のありのままの美しさを引き出したいということで、公募とか芸能事務所への依頼は行わず、スタッフが新宿や渋谷などの繁華街に出かけて、女性と出演を交渉して撮影している。
女性からのイケメンを見たいという要望に答えて、美男時計も今月からオープンしているらしい。

◆併願割引
大学受験の際に、ある学部の受験生が同じ大学の別の学部を受験する場合に、
2回目以降の受験料を割引する制度。
関西方面の大学からはじまり、全国的に普及してきている。ある大手予備校の調査によると、今年度においては全国の私大の半数を超える300校以上が取り入れているという。
来春から導入するある大学の例では、全学科で同じ試験日となる一般入試の場合、1学科目の受験料は35,000円であるが、2学科目は15,000円引きの2万円ですむようになっている。
関心のある向きは、ネットで調べてみてください。


2009年11月1日日曜日

当世キーワード(2009年11月①)

今朝のNHKラジオ第一、亀井肇さんの「当世キーワード」から。

①提案型書店
JR東京駅前にある大型書店が始めた。訪れる消費者に対して、「人生で夢見る出来事」とか「フフフと笑ってみたいときに読む本」といったテーマや内容ごとに、独自の分別陳列で商品を売っている書店。
これまでの書店は、委託販売制度に守られて、取次会社が配本したものを並べて販売するだけであった。売れなかった本も無償返品できるため、販売努力が足りないという反省から生まれた。
それぞれの分野の知識に強い店員を育て、その知識に基づいて仕入れを行い、それを消費者に対して提案していこう、としている。

②地図でユニセフ
世界各地の子どもたちが直面している問題について、地図やイラストを用いて、わかりやすく解説した、32ページ・オールカラーのパンフレット。
1テーマを2ページ見開きで解説している。
日本ユニセフが作成して、全国の小学生や希望者に配布している。
アフリカ諸国で大きな問題となっている5歳未満児の死亡率が高いことを伝えるページでは、率の高低で色分けをした地図を載せている。ほかにも、安全な水が使えるとか、小学校に通うことができるといった、子どもたち直面している、さまざまな問題について解説している。

③ICカードで出席管理
学生証をICカードにして、そのカードで授業の出席を管理するシステム。
教室のドア付近に読み取り端末を設置して、学生が講義前にカードをかざすと出席したことが確認される。5分たつと遅刻者となってしまう。
講義中に出席をとる時間が省略されて、教師はそれだけ講義に集中できる。これまでは、出席簿の読み上げ方式とか、出席カードの記入方式などが行われていたが、代返などをする学生が跡を絶たなかった。
ICカードで出席を取るようにすると、学生証の中に学内で使える電子マネーなども入っていて、カードを他人に貸すことはないので代返もなくなるといわれている。

④チルド弁当
いくつかのコンビニで売り出した冷蔵弁当のこと。これまでコンビニで販売する弁当は、18度前後の温度で配送、陳列していたために、製造から消費期限まで15時間ていどであった。
ところが、チルド弁当は5度以下で冷蔵保管しているために、61~85時間くらい保たせることができる。販売するときには電子レンジで温めて消費者に渡す。冷やしてもご飯が固くならないように炊き方に工夫をし、味も従来の弁当と変わらないという評判になっている。

⑤せんべろ
1000円でべろべろになるまで飲むということを「せんべろ」という。高級なクラブやバーに行けば、ビール1杯でも1000円を超えてしまうが、格安な店を探せば1000円で充分に飲むことのできる店がまだまだあるようだ。
リーマン・ショック以来、100年に一度という日本経済の景気悪化のなかで、家計がきびしくなり、奥さんから小遣いはほんの雀の涙程度しか貰えない。そこで、格安の立ち飲みの店とか980円均一などの店を、様々な情報を駆使しては探し出して、行くことになる。
もちろん、こうした店は一人ででふらふらと立ち寄ることができるが、コップに満々とつがれた日本酒とか焼酎を数杯飲めば充分に酔うことができる。ビジネスマン向けの雑誌などでも、こうした「せんべろ」の店の紹介を行う特集が増えてきているらしい。

ひとごとではない。「せんべろ」を探さなくちゃあ。