2007年6月13日水曜日

打ちのめされるようなすごい本 2

この本のあとがきは、井上ひさしが「[解説]思索の火花を散らして」と題して記している。その中で彼はこう述べている。
大事なのは、彼女の文章が、いつも前のめりに驀進(ばくしん)しながら堅固で濃密なことだ。別にいえば、文章の一行一行が、箴言(しんげん)的に、格言的に、屹立している。そこで私たちは気楽にめくって、気に入ったところを読めばいい。そのときの気分によって、一行一行が励ましの特効薬になり、慰めの妙薬になり、なによりも思索の糸口になる。 

その通りなのだが、取り上げられている二百数十冊への書評を最初から通読してみれば、米原万里が、その晩年を何とどのように闘い、どのような思いを抱いて生きてきたのかが見えるように思われる。

先に紹介した『発明マニア』に付された「小さい頃から発明好き」と題した、こども時代の万里についての一文を寄せている井上ユリは、万里の実妹で、井上ひさしの奥さんである。
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〈米原万里の最初にして最後の小説〉

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