2007年5月3日木曜日

映画「わかれ雲」 3

批評家(Q)とは誰であるか?
当時辛口の批評で知られ、このアルファベットの一文字で通用していた津村秀夫である。
らむぶらーの本領を発揮して横道にそれるが、[歴史が眠る多磨霊園]というサイトは、津村家の墓を紹介しながらとんでもない間違いを犯している。
同墓所には信夫の長男で映画評論家の津村秀夫(1907~1985)も眠る。
津村信夫(1909~1944)は、生年を見れば分かるとおり、二つ年上の秀夫の父親なんてことはあり得ない。秀夫の弟である。信夫は立原道造らとともに、「四季」に属していた詩人で、三好達治は、つぎのように述べている。
山深い信州の自然や人間、繁華な都會に住む詩人たち數人の友人、津村君の短い生涯を傾けて愛したものは、その二つの焦點の上に凡そ集約されてゐたであらう。無邪氣な坊ちやん坊ちやんしたその清純な生涯は、それ自身一篇の童心豊かな抒情詩に外ならなかつたかも知れぬ。(p.215)*
さらに言えば、俳優の津村鷹志(本名、秀祐)が 秀夫の長男である(NHKの大河ドラマ「風林火山」に今川家の牧野成勝役で出演)。

* 三好達治『詩を讀む人のために』學生教養新書(至文堂)1952/06/01
現在、岩波文庫で入手可能。

そろそろ本道へもどりましょう。

ごうなのおすすめ本棚 1

詩を読む人のために


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