2010年5月9日日曜日

再び、縦書きで読みたい

今年の1月22日の記事に続き、PCで縦書きの文章を読むソフト(すべてフリー)をもう一度ご紹介する。
①【窓の中の物語】これが一番気に入っているのだが、残念ながらWindows XPでないと使えない。わたしはまだまだXPを使うつもりだが、以降の新しいWindowsでも使えるようにしてほしい。
こちらから→http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/010303/n0103032.html


②【PageOne】
こちらから→http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/090421/n0904212.html?ref=search

③smoopy
こちらから→http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/030312/n0303124.html?ref=search

④扉~とびら~
こちらから→http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/040310/n0403103.html?ref=search

⑤小町文庫
こちらから→http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/031101/n0311013.html




2010年4月30日金曜日

iPad is tangible !

昨日の朝日新聞(p.17 論壇時評)の「あすを探る[科学]」に、【触れてわかる「媒体」の実体】と題した、福岡伸一さんの一文が掲載された。
日本では発売が来月末になる、米国アップル社の新型携帯端末のiPad を在米の知人や友人に頼んで手に入れた人々がその使用感を述べている文章をウェブ上でいくつか読んできたが、この文章に心をうたれた。
iPadで電子書籍iBooksをさわってみて驚いた。文字はくっきり鮮やかで読みやすい。挿絵もカラーで美しい。そして指先で画面に触れると、まるでほんとうの紙のページをめくるような感覚で自由自在に操れるのだ。無線でネットとつながり、好きな本を随時購入できる。それをiPadの中に作った自分の本棚に並べられる。この小さな装置の中に蔵書のすべてがすっぽりおさまり、本を探したり、単語やフレーズを検索することもたやすい。メディアというものの明日に、私はあらためて思いをはせた。
シャーレの中で培養される細胞、水中に棲む魚、地上に生きる人間、それぞれを取り囲んでいる培養液、水、空気・重力・温度などを生物学では媒体=メディア(単数形はメディウム)と呼ぶ。培養細胞、魚はそれぞれの媒体の存在を知らないし、人間は媒体の存在を気にせず、自覚していないが、それぞれがその媒体と確実に接しており、その接点で媒体に支えられている。
   先に、私は、細胞がメディアの存在に気づかないまま、しかしそれに確実に接していると記した。その接し方を(より正確にいえば、生命という球体が媒体とある一点で接していることを)科学用語では、タンジェントという。タンジェントはまた、形容詞タンジブル(tangible)につらなる。触れてわかること。手ざわり感がもてること。
    細胞にとってメディアとは、単に栄養素や酸素や成長因子を溶かしこんだ溶液(ストック)ではない。接する時、接した点で物質とエネルギーと情報の交換が行われる。それが生化学反応を引き起こし、生命という動的な平衡を支える。そのとき初めて細胞にとってメディアはメディアとしての意味を持つ。
  そのように考えると私たちにとってメディアとは何かが見える。…(中略)…それに接すると流れが導かれ、反応を引き起こすもの……そのとき初めて意味を持つ動的なものとしてある。そして、接するときのタンジブルさこそがその実体を示す。
   残念なことに、私は接点としてのiPadをとてもタンジブルなものに感じた。なぜ残念かといえば、紙の書籍や紙の新聞に、私はずっと特別な手触りと愛着を感じてきたからである。
でもそれは私たち旧世代の感傷であろう。これから生まれてくる世代にとって、iPad(あるいはそれに類するもの)は、ハイテクでもなくローテクでもない。アナログでもなくデジタルでもない。彼らにとってそれはタンジブルな第一言語(ネイティブラングエッジ)としてそこにある。
  ヒトが地球上に出現しておよそ700万年。紙がタンジブルだった数千年は、その中の一瞬として、まもなく確実に終わる。しかし、流れとして、その流れ方としてのメディアは私たちとともにあり続ける。

うーん、早く実際にiPadに触れて、そのタンジブルさを実感してみたい。

  参考サイト→  http://www.bloom-cafe.com/archives/221

2010年4月25日日曜日

当世キーワード(最終回)

今日の当世キーワードをアップしようとしたところ、今月からNHKのサイトに、ご覧のように放送の内容が紹介されるようになっていた。
もはや、放送を録音し、テープ起こしをして紹介する必要はないわけだ。これからは下記のサイトに接続すれば、毎週の当世キーワードを読むことができます。

サイトのアドレス→http://www.nhk.or.jp/r1/asa/keyword.html


2010年4月20日火曜日

本のPDF化

我が家で購読している新聞は朝日新聞だが、どの新聞でも元旦には様々な特集のページが組まれていただろう。今年の朝日の場合、その第4部[読むスタイル]の第5ページは、[読むワザ]と題して、大江健三郎(作家)、吉岡忍(作家)、小飼弾(ブロガー)の三人が登場している。大江の欄には本人と書斎の写真、後の二人は書棚をバックにした肖像写真が掲載されている。しかし、3人の蔵書がこんなものでないことは想像に難くない。

いささか枕が長くなったが、ここで取り上げたいのは吉岡さんの記事だ。
約2万冊の蔵書を持つ吉岡さんは、PDFが普及し始めた5年ほど前から本をパソコンに保存しているという。
「まずスキャナーで表紙を取り込み、次に専用カッターで背表紙を裁断して扉から奥付までカード状にする。暑さ1センチずつ両面スキャンができる高速のドキュメントスキャナーにかけると約1分半、3センチの本でも5分以内です」
現在、外付けのハードディスクに約50ギガ分、1500冊ほど入っているそうだ。
「地球の歩き方」シリーズの1冊をクリックしてみると、画面左側に中身の一覧が表示され、読みたいページをクリックすれば、そのページが開く。地図や写真をクリックして拡大表示することもできる。
「目が悪いので仕事場では27インチの画面で本や雑誌を読みます。昔の小さな活字の文庫や漫画も拡大して読めるからとても便利」と吉岡さんは語っている。
デメリットとしては、A4サイズを超える大型本は取り込めないこと、カード化、つまりばらした本は処分せざるを得ないことの2点を挙げているが、最後にこう語っている。
「でも面白いことに、前より本をたくさん読むようになりました。その意味では本が生きたといえる。本は記憶の手がかり。本自体がなくなることはないでしょう」

(以上、新聞を見ながら引用したが、朝日のサイトにみな載っていた!
http://book.asahi.com/special/TKY201001050299.html 

このブログの終わりに Amazon の広告も掲載しておくが、本のPDF化もそれなりにお金がかかることも事実だ。

そこで新たな商売も生まれてくる。
http://www.bookscan.co.jp/

これはありがたい、とわたしは喜んでいるが、これは違法だ、いや合法だ、とかしましい。
ツイッターでもツイッた通りだ。

◇昨日,本を1冊100円でPDF化しますというBOOKSCANのサイトを見て、gaunaのような貧乏人はこりゃいいなと単純に喜んだが、今朝になってみれば著作権法違反じゃねえか、とカンカンガクガクがtwitter上でも始まっている。
10:04 AM Apr 17th webから
◇ BookScan代行問題。mehoriさんも合法とtwitしているし、404 Blog Not Found も違法じゃないと言ってるぞ。
6:28 AM Apr 19th webから

冒頭にも名前を挙げた小飼弾さんの意見はこちらから、
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51434363.html

最後に一言。最初に引用した吉岡さんは「昔の小さな活字の文庫」本も拡大して読めるといっているのに、BookScan はこういう古い文庫本などを扱わないとしているのは残念至極だ。書棚の大整理をするには7万円は必要か(ため息)。

2010年4月19日月曜日

龍馬と海舟

昨夜のNHK大河ドラマ「龍馬伝」第16回で、勝海舟が登場した。
時代背景を年表で大雑把に見てみよう。

1860(万延1)年、2年前日米間で結んだ修好通商条約批准のため渡米した幕府の使節団に随行し、咸臨丸船長として太平洋横断に成功したのが、 勝海舟(1823-1899)である。
坂本龍馬(1835-1867)が脱藩したのは、1862(文久2)年だった。この年、海舟を切りに行ったが、説き伏せられて入門した。
後年、海舟は龍馬について、こう語っている。
坂本龍馬。彼(あ)れは、おれを殺しに来た奴だが、なかなか人物さ。その時おれは笑って受けたが、沈着(おちつ)いてな、なんとなく冒(おか)しがたい威権があって、よい男だったよ。(p.85)
坂本龍馬が、かつておれに、先生しばしば西郷の人物を賞せられるから、拙者も行って会ツて来るにより添書をくれといツたから、早速書いてやったが、その後,坂本が薩摩からかへつて来て言ふには、成程西郷といふ奴は、わからぬ奴だ。少しく叩けば少しく響き、大きく叩けば大きく響く。もし馬鹿なら大きな馬鹿で、利口なら大きな利口だらうといつたが、坂本もなかなか鑑識のある奴だヨ。西郷に及ぶことの出来ないのは、その大胆識と大誠意とにあるのだ。おれの一言を信じて、たつた一人で、江戸城に乗込む。おれだつて事に処して、多少の権謀を用ゐないこともないが、たゞこの西郷の至誠は、おれをして相欺(あいあざむ)くに忍びざらしめた。この時に際して、小籌浅略(しょうちゅうせんりゃく)を事とするのはかへつてこの人のために、腹を見すかされるばかりだと思つて、おれも至誠をもつてこれに応じたから、江戸城受渡しも、あの通り立談の間に済んだのサ。(p.70)
上の二つの引用は、明治になって新聞や雑誌に載った海舟の談話をまとめた『海舟談話』による。これは、下に示すように、文庫本で容易に手に入る。
ただ、もしお買い求めになるのであれば、左の講談社学術文庫をおすすめする。その理由は、同書の松浦玲による前書きないしは解題により瞭然だ。

  

2010年4月15日木曜日

NHKラジオ&テレビから

NHKラジオ第1の5時台からの番組[ラジオあさいちばん]では、6時40分過ぎから10分間ほどの[ビジネス展望]という番組がある。
毎週、火曜日は内橋克人さんの担当だが、今週は9日に他界した井上ひさしさんを追悼する内容だった。以下は、山下信アナの質問に答えた内橋さんの話の概要である。

井上さんは膨大な作品を書き続けた作家と言うだけではなく、ひたすら、人間が人間らしく生きられる社会を求めて献身し続けて来られた方です。何よりも、社会が平和であること、平穏であること、人が人として遇される社会であること、そのようなあり方を、どうすればこの厳しい現実の中に実現できるのか、また何が、誰が、どのようでなければならないか、自ら懸命に探し求め、かつその道筋を人々に示してきた、数少ない先達であったと思います。
井上ひさしさんという存在そのものが私たち日本人にとっての。心の基盤というか、道路や水道などのようなインフラストラクチャー、心のインフラだったと思います。井上さんが亡くなったことを知ってから、もう、ポッカリと心に空洞を抱えたままなんです。涙が止まらないんです。

――内橋さんと井上さんはどういう交流がおありだったんでしょうか?
直接的には、鎌倉・九条の会の呼びかけ人に、井上さん、なだいなださん、そして私の3人がなっているんです。私の場合は井上さんから呼びかけていただいたものです。この会は、例の全国的な九条の会の鎌倉版といえると思います。
(その会についての話は省略する。次のサイト参照→http://www.kamakura9-jo.jp/)

(昨年5月30日の)会が終わって、井上さんと控え室で歓談し、そこを出てぐるっと廻って海岸の正面玄関の方へ出るんですが、二人で一緒に歩いたんです、夜の道を。鼎談の中で私は、人が人として生きられる世の中とは、ということで、その条件を五つほど挙げたのですが、その言葉をよく覚えていてくれましてネ、あの言葉に共感したと、具体的に口にして頂きました。忘れられない思い出となってしまいました。
井上さんは、いざ、というときには自ら行動を起こされるんですネ。それも、何でもない、そんなたいそうなことじゃないよ、といった日常の感覚のなかで、行動を起こされるんですね。しかし、底光りのするような、ものすごい社会批判の目と思想性ですね、それに胆力というものを私ははっきりと感じてきました。井上さんという存在そのものが支えだっ
たと思います、多くの人々にとっても。

(次いで、山下アナの求めに応じて、井上の二つの作品を挙げているが、題名だけの紹介にとどめておく。『吉里吉里人』と編著の『社史に見る太平洋戦争』新潮社 1995年 )

――心に残る井上さんの言葉は?
たくさんあるんですが、長い間、私の心に刻まれてきた言葉があります。
「むずかしいことをやさしく、やさしいことを深く、おもしろいことを真面目に、真面目なことを愉快に、そして愉快なことはあくまで愉快に。」
こういうお言葉です。
ある出版社へ参りますとネ、その編集室に長い間、井上さん直筆の原稿を額縁に入れて飾っておりました。たくさんの色鉛筆、赤だけでなく、緑や紫などの色鉛筆で何度も何度も推敲された原稿を額縁に入れていました。
深い交流ではありませんでしたけれど、2歳違いの井上さんに私は支えられてきた、支えられていると感じ、思っております。
(2歳年上の市橋克人さんはそう、締めくくった。)

             ★    ☆     ★     ☆     ★

第3週目に入っている朝ドラ「ゲゲゲの女房」は、今朝、無事見合いを終わって5日後に挙式と決まった。メールを見ていたら、白無垢の花嫁姿の写真が紹介されていたので、ご覧あれ。

http://journal.mycom.co.jp/news/2010/04/14/050/index.html
     




2010年4月12日月曜日

当世キーワード(4月②)

昨日のNHKラジオ第1、亀井肇さんの当世キーワードです。

(1) 葬式鉄
「お弔い鉄」ともいう。
JRや私鉄の鉄道の路線や列車が、ダイヤ改正などで廃止されるときに、その最後の日に集まる鉄道マニアたちのこと。廃止される路線の出発ホームの写真を撮ったり、ダイヤ改正で運転されなくなる列車の姿を撮影するために集まってくる。
そうすることで、友人や知人が亡くなったときと同じような、お別れの気持ちを表明するわけ。


(2)タクシー料金節約サイト
タクシーに乗車する前に、インターネットで、目的地までの最短距離の運賃で予約したり、相乗り相手を探すことで運賃を安くすることができるサイトのこと。
ケータイ電話上のあるサイトでは、全国的に約250のタクシー業者が加入していて、出発地と目的地を入力すると、自動的に運賃と所要時間が算出されてタクシーの予約もできる。
運賃は最短ルートで決まり、渋滞でも加算されないことになっていて、通常のメーター料金よりも安くなることが多い。相乗り相手を探す会員制サイトでは、出発地、目的地と出発日時を入力すると、よく使う出発・目的地として近い地域で登録している会員向けに相乗り募集のメールが送られる。相乗りのインターネット版ともいえよう。

(3)台湾紅茶
ウーロン茶で有名な台湾で生産される紅茶。
台湾を日本が統治していた1920年代後半に、総督府中央研究所に勤務していた技師が,海抜約800メートルの盆地にある、南投県魚池郷の、寒暖の差が大きい気候条件などが紅茶の栽培に適していると判断して、インド産のアッサムなどと台湾の原種を交配させるなどして、独自の紅茶をつくりあげた。
1930年代から60年代まで隆盛を極めていたが、1970年代以降、安い茶葉を混合した粗悪品が出まわって、一挙にその信用を失い、1980年代以降は市場からほとんどその姿を消してしまっていた。
1999年の台湾大地震後の復興策の一環として紅茶復活が提案され、それが新しいお茶として人気を集めるようになった。

(4)婚前契約
結婚する男女が、一緒に暮らす前にお互いが合意した約束が守られなかった場合には、賠償金を支払うことを明記した契約書を交わす結婚の方式をいう。慰謝料や遺産目当ての結婚を防ぐために、考えられたと言われている。
アメリカの有名プロゴルファー、タイガー・ウッズの浮気が発覚したとき、夫婦がそれを取り交わしていたことがわかり、注目されるようになった言葉。
5年前に結婚したウッズ夫妻は婚姻が10年以上続いたら、それ以降に万一別れることになったら、妻のエリンさんに2000万ドル、約18億円を支払うという内容の契約だったといわれてるそうな。

(5)調査器具付きレシピ本
料理のレシピ本を読んでも、調査器具がないので、その料理を作ることができない、といった主婦の声に答えた料理本。こっちを見ていただく方が早いかも。

http://www.onsen-tamago.net/korehoshii/1817.html/trackback

レシピ本と器具を別々に買うよりは割安になる、と亀井肇さんは言ってました。





2010年4月10日土曜日

NHK朝ドラ「ゲゲゲの女房」

先週の月曜日(三月二十九日)、NHKテレビで朝の連続ドラマ「ゲゲゲの女房」が始まった。水木しげるの奥さん、武良布枝(むら ぬのえ)の同名の作品のドラマ化である。

今や世界の共通語となった「マンガ」だが、戦前の日本のこどもたち(とくに男の子たち)が夢中になったマンガは、阪本牙城の「タンクタンクロー」(大日本雄弁会講談社の雑誌「幼年倶楽部」1934年(昭和9)1月号から1936年12月号にかけて連載)、島田啓三の「冒険ダン吉」(1931-1939年「少年倶楽部」)、田河水泡の「のらくろ」(1931-1941年「少年倶楽部」)などであった。
1934年生まれのわたしには、幼稚園時代に買ってもらった「キンダーブック」や講談社の絵本はあったが、これらのマンガを掲載している雑誌や布装丁の単行本を読むためには、それらを所有している兄や姉がいる同級生に借りるほかなかった。
その後のマンガで記憶に残っているのは、戦後まもなく、「小学生新聞」(正確な紙名は失念)に連載がはじまった医学生のお兄さんの作品と紹介されていたマンガ(題名はこれまた失念)の絵を好ましく思って、その絵をまねて描いたりしたことがある。そのお兄さんが手塚治虫だった。以来、マンガを読んだことはない。
前世紀の90年代に、たとえば、呉智英や関川夏央たちがマンガを論じているのを読んで、ふーん、と思ったことがあっても、マンガを読んだことはない。

昨年の十一月末に、再放映されたNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀 /闘いの螺旋、いまだ終わらず~漫画家・井上雄彦」を偶然見て驚いた。『バガボンド』と言うマンガが吉川英治の『宮本武蔵』であることもはじめて知ったが、武蔵の大写しの顔を描くためにあれだけ考え、悩み、意を決して一気に描く仕事ぶりと描き上げた絵を見て、さらに驚いた。これもマンガか!

そんなわたしも、娘たちが見ていたテレビを通してであろうか、
ゲッゲッ、ゲゲゲのゲー/朝は寝床で グーグーグー/たのしいな たのしいな/おばけにゃ 学校もしけんも/なんにもない/…
という歌を憶えている。
何年か前、境港市に用事で出かけた折に、妖怪たちのブロンズ像が並ぶ通りを歩いたこともあった。しかし、いまだにそのマンガを読んだことはない。

先週の月曜日(3月29日)から、NHKのテレビ、ラジオの番組が新年度の番組に変わった。番組名の変わったものもあるし、新番組もスタートした。連続テレビ小説、いわゆる「朝ドラ」も、8時から「ゲゲゲの女房」が始まった。脚本は山本むつみ。原作は、ドラマの題名からいっても、水木しげる(武良茂)の妻、武良布枝(むら・ぬのえ)の『ゲゲゲの女房』といっていいだろう。  

水木しげるについては、かつてこのブログでも紹介した『昭和二十年夏、僕は兵士だった』
にあるように、九死に一生を得た体験の持ち主であることも承知していた。(ただ、このドラマが始まった日の早朝、午前0時台から再放映されたNHKスペシャル「鬼太郎が見た玉砕」
http://www.nhk.or.jp/nagoya/kitaro/midokoro.html

を見逃したのは、まことに残念であった。)

このドラマが始まる前に、原作の『ゲゲゲの女房』を読んでみた。さきほど述べたように、
歌の文句は多少覚えてはいたが、どうして「ゲゲゲの鬼太郎」や「ゲゲゲの女房」なのか、まったく分かってはいなかった。鳥取県西部の米子や境港ではどうか知らないが、東部の鳥取では、子供のころ、(いちばん)ビリのことを「ゲゲ」といっていた。「下々」とか「下の下」の意であろうか。現在のこどもたちが使っているか、どうかは知らない。
この本を読んでやっとわかった。

『ゲゲゲの鬼太郎』というタイトルも水木の発案でした。
「オレが小さいころ、シゲル」といえず、自分のことをゲゲルといっていたから、「ゲゲ」とガキ大将仲間から呼ばれていた。だからゲゲゲの鬼太郎でもいいんだ」
水木はそういって笑っていました。(p.152)

これなら「ゲゲゲの女房」すなわち「(みずき)あるいは(むら)しげるの女房」だ。

さて、朝のドラマがはじまって、ちょうど2週間になった。先週は布美枝の子供時代。7歳の布美枝役の菊池和澄(あすみ)、10歳の布美枝(佐藤未来)、祖母役(ナレーションも)の野際陽子らが好演。今週はのっぽのヒロイン、布美枝役の松下奈緒登場。なかなかいい。ワンマン亭主の大杉漣は流石、もの静かで控えめの妻役、古手川祐子もいい。
この2週間のドラマは、原作では[第1章 静かな安来の暮らし]で、20ページあまりのなんの事件もない序章的な部分だ。
脚本の山本むつみは、金曜時代劇「御宿かわせみ」でデビュー以来、幅広いジャンルの作品を手がけてきただけあって、さすがと思わせる。来週からが楽しみだ。

最後に、「NHKウィークリー ステラ」4/2号に掲載されている武良布枝さんの談話の一部をご紹介しておこう。
主人は、何ひとつ私に甘い言葉をかけてくれるわけではないし、ロマンチックなこともぜんぜんなかったですね。でも、一生懸命仕事に打ち込んでいる彼の姿は、私の中では輝いていたんです。本当に努力の人でしたから。あれだけ努力した人間が報われないことはないと、心のうちでは思っていました。(中略)私はもちろんですが、主人も、『ゲゲゲの女房』が朝ドラの原案になったということは、心の中で大いに喜んでくれていると思います。ここまで元気でやってこられて、こうして喜ばしいことがまた生じて――。本当にみなさまに感謝しております。このうえは、多くの方にこのドラマを見ていただけるよう、お祈りしております。(p.11)
  

2010年4月4日日曜日

当世キーワード(4月①)

今朝のNHKラジオ第1、亀井肇さんの放送から。

1)ママデスク
愛知県に本社がある家具メーカーが昨年から売り出した。
子どもの机の隣に親の座るスペースのある机。親が家事の合間に隣に座って子どもの勉強の手伝いなどをしてやることができる。最近の傾向として、子ども部屋でなく、親がいるリビングルームで勉強するケースが増えている。
共働きで、親が子どもとふれあう時間が少ない、という背景もあるらしい。

2)顔が見える野菜
あるスーパーの大手が、生産履歴を開示して販売している野菜。
2002年から扱っているが、安全の観点から、生産時に使用する農薬の量を3割削減することを前提に、その上で、個別の生産者の名前や顔、栽培方法、商品へのこだわりなどをパソコンやケータイなどを通じて、ネットで提供している。
例えば、熊本県のJAから出荷されているトマトの場合、生産者からのメッセージとして、土壌診断の結果をもとに、ミネラル資材を多く使用して土作りを行う栽培方法を導入、農薬の使用回数を抑えるように努力している、といったメッセージが伝えられている。
価格は通常商品よりも10~20%ていど高いが、消費者は安全を評価して購入することが多い。

3)メディカル ツーリズム
医療サービスと観光とを組み合わせたパッケージ・ツアーをいう。
医療機関がホテル並みの施設とサービスを用意して患者を迎え入れ、高度の医療技術も低価格で提供する。
欧米の医療費があまりにも高額になりすぎたため、医療費の安いアジア諸国に渡航して、現地の病院で治療を受けるケースが増えているといわれている。とくに、インドへのメディカルツーリズムが増えているという。有名で医療技術が高いことに加えて、かつてイギリスの植民地であったために、英語が通じる気楽さがアメリカ人やイギリス人などに受けたようだ。
欧米のみならず、中国やアラブなどの富裕層をターゲットとして、各国政府ともお客獲得に懸命になっている。
日本でも、千葉県の病院や福島県のクリニックなどが、今春から参入しているらしい。

4)コリア ヘチ
野球の関西独立リーグに参入するために結成された、韓国人と在日韓国人の球団。選手は21人で、監督は、韓国プロ野球団の4番打者だったパク・チョルーさん。大阪市内で寮生活を送りながら、今シーズンは72試合を戦うことにしている。
「ヘチ」は、朝鮮王朝を守護した神獣で、ソウル市のシンボルマークともなっている。国際親善と宣伝にも使えるということから、ソウル市が使っているマスコットの無料使用も認められている。
関西独立リーグは、ソウルでも6試合が行われることになっている。

5)ちょっと暮らし
北海道庁が2005年から始めた北海道移住促進のプロジェクト。北海道への移住とか、2地域居住を考えている人たちに、そのきっかけを経験してもらおうというもの。
北海道で暮らしたいと考える人がそのまますぐに移住してくれればいいが、住宅の購入、家族の同意など、乗り越えねばならないハードルがいくつもある。
そこで、学校統廃合で空き家になった教職員住宅に目をつけて、市町村が主体となって、住宅や体験メニューを用意して、希望者に「試住」してもらい、一定期間過ごしてもらおうというプロジェクト。
2005年に14の市町村が道移住促進協議会を設立し、現在は83市町村が参加するまでになっている。「ちょっと暮らし」の参加者は、昨年度の上半期だけで、875人になっているという。

2010年3月30日火曜日

ブルームーン

今夜の月は、1月につづいて今年二度目のブルームーン。昨日は雨。今日も午前中は晴れていたが午後からは,曇りがち。それでも、夜の空は晴れて、再びブルームーンを眺めることができた。写真は失敗だが、午後9時半頃にケータイで撮影したもの。

http://www12.plala.or.jp/m-light/notebook/BlueMoon.htm


2010年3月23日火曜日

『ライフログのすすめ』

  *****とは、個人が自分の本・記録・手紙類をたくわえ、また、それらを相当なスピードで柔軟に検索できるように機械化された装置である。
*****は個人的な記憶を拡張するための補助装置である。
…………(中略)…………
*****にたくわえられる資料の大半は、機械にすぐ入力できるマイクロフィルムの形で購入される。あらゆる種類の書籍、写真、最新の雑誌、新聞などがマイクロフィルムで入手され、記憶される。ビジネス書簡類も同様だ。また、直接入力も可能である。(p.61)

いきなり引用文を掲げたが、これは何について、いつごろ、だれによって、書かれたものであろうか? *****とは?

答はこの引用文の前に次のように書かれている。(本書の末尾にある[注釈および出典]により原名を付す)
コンピューターがビルほどの大きさだった一九四五年に、連邦科学研究開発局の局だったヴァネヴァー・ブッシュ(Vannevar Bush)が『アトランティック・マンスリー(Atlantic Monthly ,July)』誌に「われわれが思考するごとく(As We May Think)」というエッセイを寄稿している。その中でブッシュは、人々が、個人的な素材を集めた自分専用のライブラリーを持てるようになる方法を示し、革新的な未来像を描き出した。ブッシュはこれをメメックス(Memex)と呼んだ。(pp.60-61)
☆ Memex  http://www.yamdas.org/column/technique/ow_memexj.html

改めていうまでもないが、この文章が発表されたのは日本が降伏するひと月ほど前のことだ。九月には占領軍が進駐し、『日米会話手帳』が爆発的な勢いで売れ始め、十月には並木路子の「リンゴの歌」が全国に流れ、わたしは、教科書のあちこちに墨を塗っていた。

この本の著者の一人、ゴードン・ベルも、わたしと同じ、1934年生まれである。表紙カヴァーの著者紹介によれば、こちらはパソコン界の大御所で、この世界のノーベル賞「ゴードン・ベル賞」を設立するなど、現代のコンピューター産業の礎を築いた大物である。生年は同じでもまさに「月とスッポン」だ。(もっと詳しい記述は、本書の「訳者あとがき」にある。)

このお月さんが、自己の人生のありとあらゆる記録をパソコンにぶち込んで電子記録の集大成、ライフログを作り上げようと、スッポンたちをも激励しているのが本書だ。スッポンにもスッポンの生涯があるということだ。

ビル・ゲイツが序文を書いているように、マイクロソフトにかかわってきた人だから、ライフログづくりの道具は、たとえば、マイクロソフトのワンノート(onenote)を使っているがエヴァーノート(Evernote)も取り上げている。

次のサイトも、ご参考までに。→http://news.livedoor.com/article/detail/2853942/

2010年3月21日日曜日

当世キーワード(2009年10月③)

亀井肇さんの当世キーワード(NHKラジオ第1)。

1)ガンブラー
現在も猛威を振るっているコンピュータ・ウィルス。当ブログ、「らむぶらー」と似た名前で気になっておりますが、みなさん、くれぐれもお気をつけください。

http://dic.yahoo.co.jp/newword?index=2010001605&ref=1

2)ドラペディア


http://www3.u-toyama.ac.jp/doraemon/


http://knol.google.com/k/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%88%E3%82%82%E3%82%93-knol-%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9A%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2-%E7%9B%AE%E6%AC%A1#

3)炊飯蒸篭(すいはんせいろ)

http://dic.yahoo.co.jp/newword?category=&pagenum=21&ref=1&index=2010001595

4)ご当地プレート


http://dic.yahoo.co.jp/newword?category=&pagenum=21&ref=1&index=2010001603


5)旅チャリ


http://dic.yahoo.co.jp/newword?index=2010001614&ref=1



2010年3月14日日曜日

当世キーワード(2010年03月②)

NHKラジオ第1の当世キーワード。今回は下記の5つの言葉であるが、いずれも亀井肇さんが、YAHOO! 辞書の【新語探検】に執筆しているのと同じなので、ズバリ、そのサイトのアドレスのみ紹介する。

①メタボ予防茶
  http://dic.yahoo.co.jp/newword?index=2010001566&ref=1

②未利用魚

 http://dic.yahoo.co.jp/newword?index=2010001568&ref=1

③ホワイト エレファント パーティー

 http://dic.yahoo.co.jp/newword?index=2010001587&ref=1

④電子教科書

http://dic.yahoo.co.jp/newword?index=2010001586&ref=1

⑤3R(スリー アール)節約術

http://dic.yahoo.co.jp/newword?index=2010001593&ref=1

2010年3月4日木曜日

高校入試

今日は鳥取県立高校入試の第1日である。
最初の孫がわたしの母校を受験した。
やっぱり、気になってしょうがない。

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2010年3月2日火曜日

こりゃ、驚いた!!

先月末、iGoogle へいったら、こんなロゴが出ていた(現在は出ていない)。

正月でもあるまいに、どうして? と思ったが、追求することもなく、そのままにしていた。

ところが、昨日の「マイコミジャーナル」にこんな記事が載っていた。

本日3月1日、Google (google.co.jp) のトップページを飾っている"和風のロゴ"は、小学6年生の川島寛乃さんが描いたものだ。ロゴデザインコンテスト「Doodle 4 Google」のグランプリ作品で、日本の優美さと繊細さを表現した作品として高い評価を受けた。

驚いた。感心した。すばらしい 

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2010年2月27日土曜日

今年二度目のブルームーン

今年は1月1日が満月だったから30日も満月、すなわちブルームーンであった。
だから、明後日、月曜日の3月1日がまた満月で、3月30日もまた満月になる。
今年は1年に二度、ブルームーンを仰ぐことのできる珍しい年なのだ。
この両日の夜空が晴れることを祈りましょう。

2010年2月25日木曜日

posterous を始める

ながらく、投稿もしないままになっていたが、そろそろこのサイト(posterous)
を活用しなければ、と思う。
今回は、メールで投稿してみるトライアルだ。
この Rambler にもアップされている。

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2010年2月18日木曜日

こりゃ便利! ごうな百態

このごうな百態は、数年前、「寄居虫のつぶやき」という個人紙を発行していた頃、坂田ひとみ(鳥取在住)さんに描いていただいたものだ。今後もウェブ上で使おうと思い、画像をスキャナで取り込んだ。 

これらの画像を取り込むのに、画像つめこまーというフリーのソフトがあって、簡単に8枚の画像をこのように1枚にまとめることもできるし、2枚や4枚をまとめることもできる。

 http://www.vector.co.jp/soft/win95/art/se413407.html

こういう便利なフリーソフトを作ってくださる方に感謝!

新規詰め込み画像

新規詰め込み画像012 新規詰め込み画像4枚

2010年1月22日金曜日

縦書きで読みたい

ブログは横書きの世界だ。横書きでなければ書けない言語が多いから、当然と言えば当然だが、縦書きでブログが書けたら、と思うことがある。
短歌や俳句のブログをやってる人は、縦書きを望んでいるだろう。どちらもやらないわたしも、縦書きで読めたらいいな、と思うことがよくある。
なによりも困るのは、何回かに分けて連続するブログを書くときだ。15回の続きものを書くと、初回のブログは15回分を下って読むことになる。しかも、1回分ごとに[上→下]、2回目の上までいって、また1回分を[上→下]……。このくり返しだ。

縦書きのブログがまったくないわけではない。たとえば、

こういうのは、フリーではないよね。
今日もグーグル検索をやって70ページばかり見たが「縦書きブログサービスは企業さま向けのものです。現在、個人さま向けには行っておりません。悪しからずご了承をお願いいたします」みたいなのが、二、三あっただけだ。

そこで、ブログの中から15回続けた「米原万里の父」のテキスト・ファイルを、縦書きができるエディタ(Virtical Editor) に流し込み、ひとつのテキスト文書にまとめた。このエディタでは、ルビも簡単につけることができる。これで新しい縦書きの文書「米原万里の父と祖父」ができた。

ご存知のように、漱石や子規などの作品をはじめ多数の文学作品などを無料で提供している「青空文庫」のようなものがある。「青空文庫」形式に対応の縦書きテキストビューワーがいくつもあって、縦書き、ルビつきの文章を楽に読むことができる。 ほんとうにありがたいことだ。わたしはその中のひとつ、「窓の中の物語」を愛用している。ぜひこれをインストールしていただきたい。(無料だし、気に入らなけばアンインストールしていただけばいい。) ↓ 下のいずれからでも,インストールできます。(わたしのブログを読まなくても、青空文庫などを読むことができますからネ。)

そうは言っても、わたしのブログを読んでほしいわけです。そのためには15回分の新しい「米原万里の父と祖父」をお渡ししなければなりません。

クラウドの時代になりました。「雲!」のなかから受け取っていただくのがいいと思います。クラウドもいろいろありますが、わたしは DropBox の中に置きました。

友人、知人にメールで案内をする予定ですが、こういうかたちで読んでみてやろうという方がいらっしゃれば、下記にメールをいただければ、ご案内します。
 gauna@helen.ocn.ne.jp

そんなややこしいことをしなくても、いいじゃないか、という方はぜひご教示ください。(下の写真は、クリックすれば、大きくなります。)

        ↑「設定」をクリックし、下の「各種設定」をクリックすれば ↓
      
↑右下の、□”青空文庫”ルビ対応 には必ずチェックを入れてください。