2010年3月23日火曜日

『ライフログのすすめ』

  *****とは、個人が自分の本・記録・手紙類をたくわえ、また、それらを相当なスピードで柔軟に検索できるように機械化された装置である。
*****は個人的な記憶を拡張するための補助装置である。
…………(中略)…………
*****にたくわえられる資料の大半は、機械にすぐ入力できるマイクロフィルムの形で購入される。あらゆる種類の書籍、写真、最新の雑誌、新聞などがマイクロフィルムで入手され、記憶される。ビジネス書簡類も同様だ。また、直接入力も可能である。(p.61)

いきなり引用文を掲げたが、これは何について、いつごろ、だれによって、書かれたものであろうか? *****とは?

答はこの引用文の前に次のように書かれている。(本書の末尾にある[注釈および出典]により原名を付す)
コンピューターがビルほどの大きさだった一九四五年に、連邦科学研究開発局の局だったヴァネヴァー・ブッシュ(Vannevar Bush)が『アトランティック・マンスリー(Atlantic Monthly ,July)』誌に「われわれが思考するごとく(As We May Think)」というエッセイを寄稿している。その中でブッシュは、人々が、個人的な素材を集めた自分専用のライブラリーを持てるようになる方法を示し、革新的な未来像を描き出した。ブッシュはこれをメメックス(Memex)と呼んだ。(pp.60-61)
☆ Memex  http://www.yamdas.org/column/technique/ow_memexj.html

改めていうまでもないが、この文章が発表されたのは日本が降伏するひと月ほど前のことだ。九月には占領軍が進駐し、『日米会話手帳』が爆発的な勢いで売れ始め、十月には並木路子の「リンゴの歌」が全国に流れ、わたしは、教科書のあちこちに墨を塗っていた。

この本の著者の一人、ゴードン・ベルも、わたしと同じ、1934年生まれである。表紙カヴァーの著者紹介によれば、こちらはパソコン界の大御所で、この世界のノーベル賞「ゴードン・ベル賞」を設立するなど、現代のコンピューター産業の礎を築いた大物である。生年は同じでもまさに「月とスッポン」だ。(もっと詳しい記述は、本書の「訳者あとがき」にある。)

このお月さんが、自己の人生のありとあらゆる記録をパソコンにぶち込んで電子記録の集大成、ライフログを作り上げようと、スッポンたちをも激励しているのが本書だ。スッポンにもスッポンの生涯があるということだ。

ビル・ゲイツが序文を書いているように、マイクロソフトにかかわってきた人だから、ライフログづくりの道具は、たとえば、マイクロソフトのワンノート(onenote)を使っているがエヴァーノート(Evernote)も取り上げている。

次のサイトも、ご参考までに。→http://news.livedoor.com/article/detail/2853942/

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