2007年8月14日火曜日

ことば拾い:「隣の芝生」/補遺

朝日新聞社のPR誌「一冊の本」に毎号広告が出ていて、そのなかに外山滋比古の推薦文が載っている
戸田 豊編著『現代英語ことわざ辞典 A Dictionary of Modern English Proverbs』リーベル出版(2003/05/18)
を一度手に取ってみたいと思っていた。

過日、図書館へ行った折りに、この辞書で、このブログで取り上げた
The grass is always greener on the other side of the fence.
を調べてみた。いろいろなヴァリエーションはもちろんあり、五つの【類形】が紹介されているが、この英文が現在基本であるらしい。二つの点について前回の補遺としておこう。
【参考】ローマの詩人オウイデイウス(Ovid,43B.C.―A.D.17?)の『愛の技術』に同じ考えを表す次の言葉がある。
Fertilior seges est alienis semper in agris, vicinumque pecus grandius uber habet.                                  〈Ars Amatoria,Ⅰ.l.349〉
(他人の畑の穀物は、つねに自分のよりは豊に見えるものである。また隣家の家畜はより大きな乳房を持っている[多産である]。――樋口勝彦訳)
日本語の【類諺】として、「隣の糂汰味噌 」のほかに「隣の糠味噌」、「隣の花は赤い」のほかに「隣の牡丹餅はうまい[大きく見える]」/「隣の飯はうまい」/「隣の物は粥でもうまい」/「よその花は赤い」を挙げている。

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