2010年11月12日金曜日

バヌアツの砂絵


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去る10日(水)の夜、わたしとしては珍しく10時台に、テレビでNHKの「歴史秘話 ヒストリアー柳原白蓮」を見た。そのまま続けて見ていると、「シリーズ世界遺産100」の「無形文化遺産―砂に託すメッセージ」、タイトルは「バヌアツの砂絵」。わずか5分の番組だが、驚いた。


「バヌアツ」という地名も「砂絵」という言葉も、恥ずかしながら、はじめて知った。
砂を薄く敷いて、一本の指で幾何学的な紋様をすいすいと描いてゆく。
一見、唐草模様を思い浮かべたが、はるかに複雑な紋様に見えた。説明によると、文字のように様々な内容を伝えているのだという。

いや、こんな説明より映像を見ていただいた方がいい。
まず、砂絵を教えてくれたNHKに感謝してそのサイトから。
http://www.nhk.or.jp/sekaiisan/card/cards777.html


次のユネスコ・アジア文化センターのサイトでは、南太平洋上のバヌアツ群島の位置も分かるし、スライドショーを見ることができる。
画面は次の四つ。
1)火山灰に砂絵を描いている様子。
2)砂への幾何学的な描画。
3)砂絵を学ぶ子どもたち。
4)砂絵の例。

次の画面の矢印を記入している部分でもいいし、もっと下方に頭を出している部分でもいい。どちらかクリックすると、拡大された映像を見ることができます。
http://www.accu.or.jp/masterpiece/masterpiece.php?id=77&lg=jp


「無形文化遺産」ではあるけれども、あまりにもはかない。数百種類の砂絵があるそうだが、すべてを写真に残すとか、砂絵そのものを固定化して残すべきだと思う。(すでに何らかの保存方法が実行されているとは思うけれども…)
砂絵でどんなことが伝えられて来ているのか、内容も知りたいですね。

―――◇―――◇―――◇―――◇―――◇―――」
「NHKウイークリー ステラ」11/12号(P.102)に「シリーズ 世界遺産  100」の制作プロデューサー須磨章さんの文章が掲載されていたので、その一部をご紹介する。

……80の島々からなるバヌアツでは部族ごとに言語が違い、昔からこの砂絵がお互いの連絡手段として使われてきたというのだ。
村でお葬式があるという知らせは、中央に亡くなった人の遺影が描かれ、周辺にその死を悼む人々の嘆きの表情が配される。私は西洋の宗教画によくあるキリストやマリアの昇天と天使たちの場面を想い出した。
……砂の上に描かれるということは、短時間でいつの間にか消滅してしまうということでもあり、そのはかなさがより、美しさを際立たせているのかもしれない。
ほうっておくと、知らず知らずのうちに失われてしまう地域や民族の固有の文化を守っていこうという「無形文化遺産」の理念に、この砂絵はぴったりだ。そして子どもたちにも引き継がれ、将来に夢のもてる遺産でもある。





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