2011年4月23日土曜日

当世キーワード(2011年4月23日)


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NHKラジオ第1 亀井肇さん(新語アナリスト)の「当世キーワード」による。

1)ツイッター文学賞
書評家の豊崎由美さんが中心になって創設した文学賞。
書評家が受賞作品を選ぶのではなく、一般の読書好きの人が前の年、一年間に出され小説の中で、もっとも面白いと思ったものをツイッター上で投票して、最高得票を獲得した作品を表彰するシステムになっている。
賞は海外作品と国内作品の二つの部門から成り、各部門に一人、一冊ずつ投票することができて、純文学やミステリーといったジャンルの区別はまったくない。あくまでも素人の本当に本好きの読者が読んで面白かったと思う本を投票するだけだ。
今年二月に第一回の受賞作品が発表されていて、海外作品はミランダ・ジュライさんの『いちばんここに似合う人』(新潮社)、国内作品は国内作品は盛田隆二『二人静』(光文社)になっている。
http://dic.yahoo.co.jp/newword?ref=1&index=2011000163

2)国際森林年
国連総会が2006年12月に決議したもので、世界における森林の持続可能な経営保全の重要性を高めるために、2011年の一年を通して様々な活動を行うことになっている。
ニューヨークの国連本部にある国連森林フォーラムが実施の中心となっているが、日本においても、森林林業に対する国民の理解を求めるような様々な活動が予定されている。

植樹祭とか育樹祭の開催、緑の募金運動、美しい森林づくり推進国民運動、木づかい運動などの国民的運動を全国で行うことが予定されている。
世界全体においては、毎年日本の国土の20パーセントに当たる森林が地上から失われているという統計もある。
森林の消失というものは生態系に対して大きな影響を与え、温暖化の加速に結びつくことになる。地球をおおっている森林に包まれて人類をはじめ多くの生物が育まれてきたということを再認識すべきだといわれている。
http://dic.yahoo.co.jp/newword?ref=1&index=2011000193

3)ブラック会社
ブラック企業ともいう。いわゆる暴力団の資金を稼ぐために設立されているフロント企業といった意味ではなくて、外見的には普通の会社だが、サービス残業を強いたり、セクハラなどが横行している会社を指してブラック会社と呼んでいる。つまり、労働法などの法令すれすれの行為を社員に強いている会社である。
もともとはインターネット上のスラングとして流行っていたが、学生たちの就活の中で日常語として使われるようになってきている。
労働法令などのグレーゾーンに抵触するような過酷な働きをするように強いて、それに対して異議をとなえたりすると、上司からのパワハラ、いわゆるパワーハラスメントが始まって、最後には退職届を出すまでそれが続くような会社である。
http://dic.yahoo.co.jp/newword?ref=1&index=2011000161

4)イスラム学食
大学の学生食堂などで提供されているイスラムの戒律を守ったメニューがイスラム学食と呼ばれている。
イスラムは食事については厳しく規律を定めていて、豚肉とかアルコールなどが微量でも含まれているといけない。こうしたイスラムの戒律を守って作られた食事は「ハルフード」と呼ばれているが、こうした食事のメニューが増えた背景には、イスラム教徒の留学生とか研究者が日本に増えたことにあるわけだ。
学生食堂のメニューには、「ハラル」の文字が記入されていて、イスラム教徒の留学生たちは心配せずに選ぶことができる。味醂にはアルコールが含まれるため、ムスリム用に食肉を処理するときに祈りを捧げた牛肉などを仕入れているようだ。
http://dic.yahoo.co.jp/newword?ref=1&index=2011000158

5)タクティールケア
タクティールとはラテン語の「タクティス」に由来するもので、「触れる」といった意味だ。背中や手足をやわらかく、なでるように触れることで、不安やストレスを軽くするケアをいう。

1960年代に、スエーデンの看護師が未熟児に触れることで体温が安定し、体重がふえた経験がきっかけとなって始められている。
指圧などと違って、押したりもんだりしないで、手でアイロンをかける程度がよいとされている。いったん背中に手を置いたら、終わりまで手を離さないということが基本になっているようだ。
http://www.asahi.com/health/hiketsu/TKY201101310141.html

2011年4月16日土曜日

当世キーワード(20110416)


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NHKラジオ第1、亀井肇さんの「当世キーワード」より。

1)インキュベーティングシステム
韓国におけるアイドルやスターを育てるために徹底した管理による方法。
まだまだ卵である彼らを鳥に変えるために、親鳥が一生懸命に抱いて暖めて、生まれてからも一人前になって飛び立つまで餌を与え続けることを意味している。
ある韓国の芸能プロダクションが日本の芸能プロダクションの方式を参考にして独自に発展させたといわれている。
その芸能プロダクションの成功によって、この10年の間に韓国芸能プロダクションのほとんどがこの方法を取り入れているといわれている。

芸能プロダクションは毎週末にオーディションを開いて、歌唱力、ダンス、スタイルなどを審査して、将来的に有望と思われる者に対して試験的に入門を許可する。1ヶ月の試用期間を経て正式に練習生として専属契約を結ぶが、練習生の間は食事も厳しく管理され、減量なども指導される。ヘアスタイルやファッションなどもプロダクションが管理していて、徹底したアイドルやスターとしてのイメージ戦術がほどこされ、ようやく芸能界デビューをすることができる。
デビューできないまま去っていく練習生も多く、芸能界での成功率は1パーセントにも満たないといわれている。

2)千葉石
結晶のなかにメタンなどの天然ガスを閉じこめた新しい鉱物。
1998年に、千葉県館山市に住むアマチュアの地質研究家、本間千舟(ほんま・ちふね)さん(63)が南房総市の採石場の「保田(ほた)層群」と呼ばれているおよそ2500万年から1600万年前の地層から、白濁した結晶を見つけた。
千葉県立中央博物館に鑑定を依頼して、医療研究機構などで分析の結果、新しい種類の鉱物と判明した。

この石は二酸化珪素(シリカ)が主成分の無色透明の鉱物で、珪素と酸素が結合してできた「かご」のような形の微小構造の中にメタンとかプロパンなどが入っている。有機物の分解でできたガスが石のできる途中において「かご」に閉じこめられたと見られている。
http://www.asahi.com/science/update/0216/TKY201102150722.html

3)断られたくない症候群
簡易投稿サイトのツイッターを利用している若者たちに広がっている現象で、メールなどで相手にはっきりと目的を伝えるのではなく、ツイッターで漠然とした内容を送ることによって、意図した相手が食事や遊びに応じてくれるのを待ち、その相手から答えがなくても気にしないようにする若者の心理をさして断られたくない症候群と呼んでいる。相手からの反応がなくても、無理に誘っていないのだからと自分自身で納得することができるわけだ。

逆に特定の相手をメールで誘った場合に断られると、その後の対応をどうすればいいのかと考え込んでしまうことになってしまうので、軽くツイッターで誘っているようだ。
http://dic.yahoo.co.jp/newword?ref=1&index=2011000154

4)ティーボール(Teeball)
ティーと呼ばれる立てた棒の上にボールをのせて、それを打って得点をきそう競技。
野球に似ているが、ピッチャーがボールを投げるのではなくて、野球の練習のときのティーバッティングの要領で、腰の高さのところにセッティングされたウレタン製のボールを打つわけ。ホームインすると1点が入る。攻撃側が全員打ち終わると、アウトカウントに関係なく、守備にまわることになっている。
イニング数も試合するチーム同士で話し合って決めることができる、

アメリカで誕生したゲームだが、早稲田大学人間科学学術院の吉村 正教授が具体的なルールを作って普及をはかっている。
止まっているボールを打つことから、障害者でも参加しやすく、障害者団体のスポーツとして取り入れるところもあって、小学校の授業に取り入れているところもある。
2010年秋には北海道の札幌ドームで障害者団体83チームの参加した大会が開かれている。
http://www.teeball.com/
http://tee-ball.net/goods.html

2011年4月9日土曜日

当世キーワード(20110409)


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NHKラジオ第1、新語アナリスト 亀井肇さんの当世キーワード

1)武将隊
かつて城があったり、有名武将が活躍したといった歴史を持つ各地の観光地に登場している観光客をもてなすためのキャラクター軍団のこと。
NHK大河ドラマ『天地人』で注目された直江兼続を中心とする山形県は「山形おきたま愛の武将隊」を5人で結成し、各地のイベントなどで山形県の宣伝に一役買っている。
名古屋城のある名古屋市では「名古屋おもてなし武将隊」が2009年11月に結成され、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康ら10人がメンバーとなっている。
これらの武将隊の多くは失業対策でできた、国による雇用創出の基金を利用したもので、フリーターや俳優志願者らが多く応募してきて、メンバーとなっているようだ。
http://dic.yahoo.co.jp/newword?ref=1&p=%E6%AD%A6%E5%B0%86&index=2011000133

2)いきいき百歳体操
高齢者向け運動プログラムのこと。
2002年に高知市がアメリカ国立老化研究所の「高齢者のための運動の手引」を参考にして開発したものだ。歩行とか、階段の上り下り、布団での寝起きなどに使う肩やお尻の筋力強化に重点を置いた構成となっている。
重要なのは、各自の体力や年齢によって手足に0.2キロから2.2キロ程度の重りのバンドを巻いて、椅子に座ったままゆっくり両腕を真上に突き上げたり、脚を水平に伸ばしたりする体操で、所要時間は約30分である。
週2回程度継続的に行うことによって、日常生活での転倒などを防ぐことができるといわれている。
高知市では高齢者約20人に約3か月の間、週2回体操を続けてもらったところ、5メートルの平均歩行時間が7.3秒から4.6秒に短縮している。
高齢者の介護予防のために取り入れる自治体が増えていて、現在、北海道や神奈川、兵庫、福岡など10道府県46市町村で取り入れられている。
また老人会や町内会で公民館などを使って取り組む地域が増えているようだ。
http://dic.yahoo.co.jp/newword?ref=1&index=2011000125

3)パワーテレビ
ある大手家電メーカーが中東、アフリカ地域の新興国向けに売りだしている液晶テレビ。
電波や電力が不安定な場所での利用を想定して、電気信号を増幅するブースターや大容量バッテリーを備えている。
最大2時間、内蔵のバッテリーで動かすことができ、サッカーの試合をフルに視聴することができる。
当初は、インフラが整備されていないインドネシヤ、マレーシヤ、フィリピン、シンガポール。タイ、ベトナムなどの東南アジア向けに現地で生産されていたのだが、それを中東、アフリカ向けにも輸出するようになっている。

4)トモダチ作戦
先月11日の大震災の際における在日米軍による被災者救援のための活動。
アメリカ軍は大規模災害における支援活動を戦争以外の主要任務に位置づけていて、2004年のスマトラ沖地震・津波や2008年のミャンマーのサイクロン被害、2009年のフィリピンの台風被害などにも出動している。
アメリカ軍にとっては日本周辺や東南アジアの台風、津波、地震などに伴う当該国の混乱は地域の安全保障の問題に直結するという位置づけにしている。
作戦内容としては、今回は「海上の捜索・救難活動」「救援物資の輸送」「ヘリコプターの給油活動」「原子炉の専門家の派遣」などであった。
http://dic.yahoo.co.jp/newword?ref=1&index=2011000181

5)次世代型自動販売機
販売機の中に、どんな性別・年代の人がどのような時間に、どのような飲料を購入したかなどのデータを蓄積していて、自販機に近づいてくる人をカメラのセンサーで判断して、その人が自販機の前にきたときに、その性別・年代に適したお勧めの飲料のマークを表示する販売機。
男女の判別の精度はおよそ90%なので、そうしたマークを示されると、客はその飲料を購入することになるわけだ。
女性には「おすすめ」マークをハート形にしたり、その日の予想気温が低いときには温かい飲料を勧めたりしている訳だ。
http://dic.yahoo.co.jp/newword?ref=1&index=2011000191

2011年4月4日月曜日

NHKテレビの朝ドラ「てっぱん」終了


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NHKテレビの朝ドラ「てっぱん」が2日(土)に終了した。東日本大震災関係の報道のため、予定より一週間遅れたことになる。

このドラマの制作統括の海辺潔プロデューサーは、撮影終了の日に、あかり役の瀧本美織に「瀧本、本当によく頑張った」とねぎらったそうだ。また、初音役の富司純子も「つらいことがいっぱいあったと思うんですが、本当に彼女は頑張りました。またいつか一緒に仕事ができたら嬉しいなと思っております」と語っている。(「ステラ」3/25号p.9)

彼女はこのドラマがはじまってから、朝日新聞の鳥取版に、毎週一回「みおりの楽しメール」を寄せていた。その最終メールを紹介する。

http://mytown.asahi.com/tottori/news.php?k_id=32000401104040001

これまでのメールは、こちらのサイトから、どうぞ。
http://mytown.asahi.com/tottori/newslist.php?d_id=3200040

http://www9.nhk.or.jp/teppan/neta/index.html#110402

2011年4月3日日曜日

当世キーワード(20110403)

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今月よりNHKラジオ第1、亀井肇さんの当世キーワードは、土曜日の朝に番組変更された。今回はブログへ,アップするのが一日遅れました。


1)フリーター率
15歳から34歳の労働者のうち、学生と主婦を除いて、働く意思はあるが職業についていない人のうち、パート・アルバイトで働いているか、あるいはパート・アルバイトを希望している人が占める割合をいう。いわゆる労働者の非正規雇用率のこと。

この非正規労働者が増えてきたのは、1995年に当時の日本経営者団体連盟、現在は日本経済団体連合会が新時代の日本的経営という雇用形態の多角化報告書を出したことに始まっていると言われている。
新時代の日本的経営報告書の中では、第1のコースでは正社員を残す、第2のコースとして契約社員をつくりだす、第3のコースとしてパートタイマー。派遣社員、長・短期の契約社員をつくっていくという、三つの方向性を示した。

独立行政法人の労働政策研究・研修機構が2007年に15歳から34歳の男性労働者のフリーター率を調査しているが、氷河期世代といわれている25歳から29歳というのは7.6パーセントのフリーター率、30歳から34歳は、4.3パーセントのフリーター率となっている。

2)ヤシマ作戦
先月11日の東日本大震災による東京電力福島原子発電所の機能不全によって、大幅に電力不足が見込まれていることに対して東京電力の発表した計画停電などを回避するために、ネットで呼びかけられている節電行動のこと。

もともとはテレビアニメの「新世紀エヴァンゲリオン」で、敵を攻撃するために、日本全国が停電状態に入らなければならない節電キャンペーンだった。

インターネットでのヤシマ作戦プロジェクトでは東京電力東北電力エリアの停電を最小限にする、一刻も早く被災地に明かりがともるようにする、ということだ。
そうするために、時間を指定することなく、節電を心掛けるようにして停電エリアを最小限にしていこうという、極めておだやかな呼びかけである。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E4%A5%B7%A5%DE%BA%EE%C0%EF

3)野菜寿司
今年1月に東京六本木ヒルズで開店した寿司屋が売り出した魚を使わず、野菜だけによる寿司が野菜寿司と呼ばれている。金時人参をムース状にすることでウニに似せたり、バターで焼いたエリンギを帆立と見立てたりしているわけだ。

見たかたちは魚を材料にした寿司と変わらないが、口に入れるとまったく違う味である。野菜の多彩な使い方を紹介して農業の振興に一役買うと同時に、外食でも野菜をとりたい年寄りの住民たちを取り込もうという意図もある。
寿司以外のメニューでも、ムラサキイモと米を発酵させた甘酒なども用意している。
http://news.walkerplus.com/2011/0129/3/

4)家弁(内弁)
家の中で手作りの食事を弁当箱などに入れて食べることを「家弁」あるいは「内弁」と呼んでいる。
弁当箱でなくても、弁当箱風の区切りの付いたプレートなども売られているが、仕事の多様化などで、そろって食卓を囲むという機会が少なくなり、家族それぞれが自宅で思い思いの時間に食事をとるときに、それに合わせて、その都度食卓の用意をするのは大変なことだ。

それに対して、それぞれのワンプレートに盛っておけば、食べたい人が電子レンジに入れてチンすれば、すぐに食べることができる。
また、駅弁をワザワザ家で食べるような非日常性も味わうことができるという点も受けているようだ。
http://item.rakuten.co.jp/yellowstudio/40001/

5)ボディスキャナー
航空機のなかでハイジャックなどの犯罪が起こらないように、航空機利用者の衣類の下を透視して、金属探知機に反応しない不審物を発見する装置がボディスキャナー。電磁波の一つであるミリ波を乗客に照射して、身体の線を鮮明に写し出す。
これによって乗客らを検査員が直接触って確認する接触調査と同等の検知能力があると言われている。

導入に当たっては、プライバシー保護のために、お客と同性の検査員が別室で画像を確認したり、画像を検査後、即時に破棄したりする措置をとることにしている。